はじめて入る学校の学年プレップ
オーストラリアで最初に入学する学年を、Preparing School(学校に慣れる準備期間)"プレップ"と呼びます。5歳児が、入学する学年で授業の始業時間や終業時間、そして制服も他の学年と違いませんが、クラスの中は幼稚園の延長の年長組という感じです。そのため、この学年の保護者は一般的に、あまり気にせずに学校をお休みさせてホリデー旅行に出かけてしまいます。プレップを卒業すると、本格的な小学校一年生となります。
プレップの生徒から、最近の学校の様子を教えてもらいました。たとえば、クラスの中でお誕生日を迎える生徒の場合、その日は自宅からクラス全員に配るカップケーキを持ってきて先生に【今日は自分の誕生日】とお知らせすると、モーニングティーの時間にクラス全員で『Happy Birthday』とお祝いをしてくれるのだそうです。当日は、お誕生日の主人公である事を示す"Birthday Girl"または "Birthday Boy"と書かれたブローチを胸につけて、カップケーキを持って登校します。その一日は自分が主人公になりますので、本人はとてもうれしいそうです。これは強制ではありませんが、ほとんどの生徒が行っており、11月はクラスからすでに3名がお誕生日を迎えました。ほかの子どもたちにとっても、カップケーキが食べられるのでうれしい出来事なのです。
学校は10月から12月の終業日までの間、特に行事の多い時期になります。この時期のある日、小学校で夕方からディスコ大会がありました。プレップと低学年は、午後5時半ごろから7時ごろまでの時間、高学年はその後の時間と二部に分かれて行われました。本格的にライトを落とした暗い会場の中、プロのディスクジョッキーが司会と進行を行います。プレップの生徒ははじめて体験する行事で、まだなんだか訳が分からないまま踊りになっていませんが、みんな思 いっきり体を動かして十分エンジョイしました。西洋文化では、早くからダンス会場の雰囲気に慣れさせるのですね。
売店でお買い物、学校内にタックショップというキオスクのような売店があります。生徒や保護者が利用するのですが、運営は父母のボランティアが行い、売り上げを学校に寄付するのだそうです。【母の日】や【父の日】が近くなると、生徒達は家から数ドルをもってきて嬉しそうにプレゼントを買いにくるそうです。また、アイスクリームやお菓子なども売っており、プレップの生徒でさえ「この間は貴方におごってもらったから、今日は私がアイスをおごるね」など と言っては、お友達の分も買っているのだそうです。アイスの金額は50セント。子どもたちにとっては、タックショップでのショッピングはとても楽しみな事だそうです。どうりで、小さいうちから金銭感覚が身に付いているのですね。
タックショップには、学校指定の制服や靴、カバン、体操着などの中古品も販売されています。保護者は、着なくなった制服を学校に寄付するのが一般的です。それらを保護者のボランティアがクリーニングしたり、ほころびを直して安く再販し、その売り上げを学校に渡すシステムなのですが、合理的でとても良 い事だと思いました。成長の早いこの時期の子どもをもつ保護者にも、大好評のリサイクルシステムです。
11月16日、ゴールドコーストでは恒例のスクリーの季節が始まりました。まだ始まって数日ですが、飲酒などが原因で逮捕者がでてしまいました。毎年問題の多い、スクリーの季節が2〜3週間続きます。以上が、義務教育の始まった子どもたちと、義務教育の終わった子どもたちの最近の様子でした。