桜に託された想い(広報6月号の町長コラム)
春の訪れは例年より早く、町民手づくりの杜『パレットヒルズ』の満開の桜を楽しむ夜桜イベントや桜フェスタに3000人以上の方々が訪れた。今年は運よく夜桜ライトアップのイベント告知に合わせたように桜が一斉に開花。2000本を超える濃淡ピンクの花々にカメラやスマホを向け、美景を切り取る光景が至る所で見られた。時はコロナ禍であり、キャンプ利用者も令和元年度の333人に対し、令和3年度は3336人と10倍に増えたこともうれしい。
平成8年に町民から「蛇山」の有効活用の提言があり、平成10年度に鷹栖町としてパレットヒルズ構想を発表し、以後今日まで旭川トヨペット様や本田技研工業様、更に町内外団体の皆様に物心両面のご協力をいただき、エゾヤマザクラを中心に植樹を行ってきた。特に初期の商工会役員や建設業協会の方々は、自らの重機でパークゴルフ場や植樹のための整地を行い、老人大学(現ななかまど大学)の卒業生は桜の種から育て、植樹祭に多くの苗木を寄贈していただいた。平成27年度からは管理棟や周辺整備を行い、計画当初から紆余曲折ありながらも、こうして家族や気の許した仲間と共に楽しみ、心を癒す自然豊かな公園となったことは本当に感慨深い。
眼下に広がる雄大な大雪連邦を眺め、豊かな未来を想像しパレットヒルズを育ててくれた先人が私たちに託した想いは、多くの人たちの笑顔となり、心に届いている。