人生の先輩から学ぶ(広報11月号の町長コラム)

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コロナウイルス感染症のため、今年も老人会主催の「長生き感謝祭」が中止となった。
今年度は、鷹栖町から米寿56名、白寿6名、百寿5名の方々に長寿祝い品を式典でお渡しする予定であったが、それならばと緊急事態宣言解除後にご自宅や施設などに職員がお祝い品をお届けする際に、私も同席してお元気なご長寿の皆さんのお顔を拝見し、ごあいさつさせていただくこととした。
町内の最高齢者は9月15日現在で、女性は104歳。
男性は99歳の白寿であり、100歳以上の方は7人となっている。ご高齢でもご自宅で生活されている方も多く、農家のお手伝いをされている方や訪問当日に着物をご自身で着付けて待機されている方もいらっしゃり、どなたの顔色もよくお話もしっかりしている。
ご自身とご家族の健康と豊作を喜び、感謝の言葉が表情を朗らかにしているように思えた。
本州から来町され、「本当に寒さが厳しい北海道で長靴も手袋もない農作業は大変で、我慢と苦労の中でお米を作ってきた」ということを拝聴し、先人の努力と家族の幸福を願う一心の営みを積み重ねてこそ、豊かな現代社会があることを思い知らされた。
高齢化社会を支える負担ばかりがクローズアップされているが、原野を開拓、営農し、食べることさえままならぬ厳しい戦争を体験し、戦後は工業技術を世界のトップクラスへと成長させた「日本の歴史」をあらためて理解し、先人への敬意を忘れてはならない。

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