ろくべえまってろよ(広報12月号の町長コラム)
「犬のろくべえが、ふかいあなにおちてしまいました。それをみんなできょう力して、たすけるお話しです。ぼくが小さい時、ママとお父さんが毎日のように読んでくれていた大好きな本です。」
この文章は、今年初めて開催した「本とつながる展覧会」(教育委員会主催)の68作品の中で私の心を一番動かしてくれた北野小学校2年・伊林広羽さんが書いた「ろくべえまってろよ」(灰谷健次郎作)の紹介文です。
物語を想像した工作も秀逸で、穴に落ちたろくべえを心配そうにのぞき込んでいる人たちの表情や、今にも動きそうなしぐさは実によくできていました。
初雪が降ったころから、道内ではコロナ感染者が増えてきました。これからは、「新しい生活様式」のもと、家族時間が増えると思います。そこでお勧めしたいのが、家族揃っての「家読~うちどく」です。
伊林さんのように家族で「大切な本」を見つけて、何度も読書している光景を思い浮かべるだけで、私の心は温まりました。また、新聞にも多くの情報や考え方も掲載されており、一緒に読み考えることで思想をより広く深くし、常に新しい自分を創り出すこともできると感じていま
す。
「真に素晴らしい本は、内容以上のことを教えてくれる。その本を置き、仕入れた知恵を試したくなる。読むことで、行動せずにはいられなくなるのだ」ある作家の言葉ですが、寒くなる季節、家族で心が温まる「家読」をしてみませんか。