川と遊ぶ~友と語る (広報7月号の町長コラム)
私が小学生の頃、雪が解けると同級生と野球に明け暮れ、練習がない日は近くの川に魚釣りに行った。堆肥の中のミミズや現地調達でイタドリ虫を捕まえ、川原を駆け回り、時に肌がカブれて、浅井医院にもお世話になった。懐かしく、楽しい思い出だ。
当時のオサラッペ川では、ウグイやドジョウしか釣れなかったが、今ではサクラマスが遡上し、清流にしか生息しないと言われているヤマベにもお目にかかれるという。旭川市の西川市長も「今は、川が本当にきれいになって、市内でもヤマベは釣れますよ。素人でも大丈夫です。でも、先日は熊の糞を見て驚きました」と茶目っ気たっぷりに笑って、話していたことを思い出す。
そこに昨年運よく、魚釣りを趣味としている友人が旭川に転勤してきたので、「渓流釣り」に同行させてほしいと懇願した。自分が釣り上げて、新鮮な食材として友人と楽しめることができたら、至福の時間となるだろうと直感したからだ。
昨秋、念願叶って友人二人と近郊の渓流に行くことになり、川のせせらぎを聞きながら、糸を垂れ、当たりを待つだけの、実に清清しい時間をいただいた。三人の釣果は実力通りであり、夜には友人がヤマベと二ジマスを天ぷらとフライに調理してくれ、学生時代の思い出話に花が咲いた。
身近にある豊かな自然の恵みと家族・友人と共に過ごす時間は、何物にも代えられない時間だ。今年も熊とは縁なく、美しいヤマベに恋したい。