農業の見える化(広報4月号の町長コラム)
3年前に発足した「農業見える化研究グループ」では、【篤農家(とくのうか)】と言われる優秀な農業経営者を育てるため、ICT(コンピュータ機器)を活用し、生育環境や管理方法等のデータを収集研究していたが、その成果が実に興味深い。
具体的には、水田の水温・水深計測やビニールハウス内の温度・湿度・二酸化炭素量などを計測。通常管理を行いつつ、上限値や下限値を超えた場合には、手元のスマートフォンに自動的にメールが届くシステムである。データを蓄積することで「見える化」が進み、営農技術の向上や労働省力化を図られ、個々の営農の改善を行うことも考えている。
調査研究を担当した産業振興課の西元主査によると、ハウスはデータ活用で自動換気装置(自動開閉装置)が極めて有効であり、加えて二酸化炭素量不足の農家が多く、適切な管理を行えば、光合成が促進され、収穫量も増加が見込めると報告を受けた。
残念なことに西元主査は2年間の鷹栖町役場での任期を終え、農水省に戻ってしまったが、鷹栖町で学んだ農業技術と年50回以上の農家の方との「夜の意見交換会」は、農業の現場と明るい将来をつなぐ架け橋になると確信している。